八味姉妹の部屋

文芸ユニット。只今、エッセイの勉強中です。

エッセイ

「旅」御理伊武 著

大きなデイバッグを方に掛け、サコッシュの中にはスマートフォンと、最小限の現金と運転免許証と保険証とカードが入ったミニ財布。 ペタンコ靴を履き、身体をなるべく締め付けない衣類を身にまとう。女らしさといえば纏めた髪からみえるうなじくらいか。 旅…

「旅」蒼月 光 著

スーツケースに荷物を詰めている。 何を。本を。 今回の文学フリマ札幌で商品となる、文字通りの血と汗と涙の結晶の「本」を。 紙とは重いものだと思い知らされているところである。 それとも紙に打ち込まれた文字に使ったインクが重たいのだろうか。 テレビ…

「青」 御理伊武 著

私の中の青は記憶の奥に埋もれている。時々思い出したくてズリズリと引き出してはみるものの、 所々綻び完璧な元の姿とは言えない。その青の色を求める度、私のお腹の下はむず痒くなり、 今見ている世界の色が本当なのか、 あやふやになった記憶の中にある色…

「青」蒼月光 著

毎日触れるもの。 洗顔や歯磨きの後のタオル。炊き立て御飯とインスタントお味噌汁を啜るためのお箸。冷蔵庫で冷やした麦茶を飲むグラス。 大体みんな清潔なもの。 そんな中、清潔に保つには困難を極めるものも生活に欠かせなくなっている。その一つがスマホ…