八味姉妹の部屋

文芸ユニット。只今、エッセイの勉強中です。

蒼月光

第六回文学フリマ札幌 お疲れ様でした

愉しい時間はあっと言う間というけれど。本当に夢のような時間を過ごさせて頂きました。 2021年10月3日 文学フリマ札幌このようなご時世にも関わらず お越しいただいたお客様素敵な舞台を作製してくださった スタッフの皆さん 開始と終了の拍手を共にした 出…

文学フリマ 第六回札幌に出店します

お久しぶりにございます。八味姉妹、久々の活動再開にてご案内申し上げます。明日、10/3(日)開催の文学フリマ第六回札幌に出店致します。場所は北海道自治労会館(4階、5階)を利用しての開催となっております。こんなご時世ですから、気軽に「おいでませ」…

「本」蒼月 光 著

私はベッドサイドにお気に入りの詩集を置いている。 眠れない夜と目覚めの悪い朝のお供に。 もう何度も何度も読み返して紙も変色した文庫本ばかりだから、うっすら言葉も覚えてさえいるのに、読む時の心境で意味が変わるから不思議なものだ。 例えば、同じ詩…

「絵」蒼月 光 著

平日の昼間。 霧雨の注ぐ音が聞こえそうなほど静まり返った美術館で、絵画を観ていた。 森林展とされただけあって、木や林や森が額縁一杯に描かれた絵ばかりが展示された館内。コンクリートの壁、徹底した温度湿度の調整。人工物で囲まれた部屋にいるはずな…

「雨」蒼月 光 著

自分は晴れ女だと思っていた。 学生時代の遠足や学校祭、家族旅行等の想い出は大抵晴れの日と共にあるから。 それは傘やカッパを着た写真が見当たらないことからも明らかだ。 けれどいつからだろう。 非日常を強調するような猛烈な雨と共に思い出が作られる…

「映画」蒼月 光 著

学生時代、履修科目でフランス語を学ぼうと選択した。 義務教育から散々教え込まれてもしっくりこない英語への反発か、見知らぬ言語への単なる興味だったか、今となっては選択した理由はトンと忘れてしまったが。 担当教授は肩までの長さの真っ黒い髪をソバ…

「夏服」蒼月 光 著

庭の雪がようやく見えなくなって、ほんのりと太陽の光が温かみを感じるようになってきた頃。雀の御一行が、鳥小屋近くのまだ小枝も伸びていないような桜の木に舞い降りてくる。鳥小屋といっても簡素で壁がないそれは、寒さを凌ぐには不十分なのだろうに。厚…

「料理」蒼月光 著

おふくろの味というのがある。 幼い頃から食べ慣れた、自分の家でしか食べられない味。 我が家の場合は、主に御赤飯と小鯵の唐揚げの南蛮漬けだろうか。 私は生まれも育ちも道産子だけれど母は関東出身。 関東にいた時間より北海道で暮らす時間の方がはるか…

「水遊び」蒼月光 著

最近、時間と体力が有る時は、父が当番役になっている町内会の花壇の水遣りを手伝うことがある。 準備として近所の公園の水飲み場まで水を汲みに行くのだが、その公園には子供たちが十分遊べるくらいの規模の水場が造設されている。 水深は子供が座り込んで…

「じょっぴんかる」 蒼月光 著

父方の実家は函館近くの見る角度によって形を変える駒ヶ岳が、ほんの少し遠くに見える程度に在る。 つまりは所謂「ハマ言葉」にかなり寄った言葉遣いをする。 伯父叔母の言葉はたまに分からないくらいで、聴き飛ばしてしまったりしても会話は成立できる程度…

蒼月光というペンネームについて

思えば、子供の頃から本が好きでした。 それから学校に行くようになったら「国語」の授業が大好きでした。 気が付けば、友達との交換日記に、ちんまりとした詩を書くようになって。 私には勿体ない、ちゃんとした友人で。 嘲りも冷やかしもせず、優しくて素…

「カメラ」蒼月 光 著

カメラのレンズを向けられることが苦手になったのはいつからだろう。 実家には無数のアルバムに赤ん坊から大きくなるまでの写真が収めてあるのに。それも全部一つに纏めたら、公園でシーソーが出来るくらいの重さになるんじゃないかと思う程である。 それほ…